【公認会計士・税理士の開業】自宅事務所か事務所を借りるか

公認会計士が税理士登録して開業する場合、自宅開業するか、事務所を借りて開業するかを考える必要があります。

今回は、自宅開業か事務所を借りて開業かという点について、考察してみたいと思います。

私は2018年の9月に独立した公認会計士であり、サービス内容として、税務顧問(税理士業務)の提供を行っているため、今回の考察については、税務顧問サービスを提供することを前提とします。

税務顧問は、月々の会計ソフト入力内容のチェック、税務・会計分野の相談を受けること、決算書・申告書作成提出が基本的なサービス内容となります。

税務顧問サービスの料金は、月額報酬+決算報酬という料金体系が多いようですが、近年は、月額報酬のみで決算料はなしという料金体系の事務所も増えてきたイメージです。

さて、今回このような記事を書こうと思ったのは、ネットで公開されている自宅開業か、事務所を借りての開業かについての情報は、事務所の費用で有利不利判定しているものが多く、事業戦略上、実際に意思決定する際に考慮した方がいいと思う重要な情報について触れられていないと感じたからです。

ですので、ここではもう一歩踏み込んで、自宅開業する場合と事務所を借りて開業する場合において影響することとなる「税務顧問サービスの提供方法」について考察します。

サービスを顧客へどのように提供するかは、事業戦略上重要な論点だと私は考えています。

また、商品の提供方法によっては、コスト構造が変化します。

コスト構造が変化するということは、最終的に商品の販売価格の決定にも影響を及ぼすことになります。

それでは、自宅開業か事務所を借りて開業(以下、事務所開業)するかについて考察を始めたいと思います。

税務顧問サービス提供方法に与える影響

自宅開業か事務所開業かは、税務顧問サービスの提供方法に影響を与えます。

税務顧問サービスの提供方法は、基本的に3つのパターンに区分できます。

1顧客訪問型

定期的に客先へ訪問してサービスを提供する方法。従来型の税務顧問サービスに多い。

2事務所訪問型

顧客に事務所へ来てもらってサービスを提供する方法。

3Web通信型

顧客とは電話やメール、ITツールなどを使ってサービスを提供する方法。

自宅開業・事務所開業におけるサービス提供方法の選択肢

自宅開業と事務所開業では、税務顧問サービスの提供方法の選択肢に違いが生じます。

・事務所開業の場合

自宅開業の場合、顧客の応談スペースを確保できない場合、事務所訪問型サービスの提供は不向きとなります。

事務所訪問型が採用できなということは、税務顧問契約の前の面談(フロント商品販売含む)も顧客のもとに訪問するか、どこかのカフェで行うか、SkypeなどのITツールを使うかという選択をする必要があります。

自宅開業は、見込み客を含めて事務所に来てもらうことができないという点が一番のデメリットになります。

逆に、顧客訪問型・Web通信型のサービス提供は向いているといえるでしょう。

事務所開業の場合

事務所開業の場合、基本的に顧客訪問型、事務所訪問型、Web通信型のサービス提供は全て選択できるといえます。

顧問料金決定に与える影響

自宅開業・事務所開業の選択は、顧問料金の決定に影響を与えます。

顧問料金決定への影響は、顧客へのサービス提供方法と固定費の2つの要因に区別できます。

1.顧客へのサービス提供方法による影響
顧客へのサービス提供方法が顧問料金に与える大きな要因は、「移動時間」です。

時間をコストと考えた場合、移動時間が顧問料へ影響してくるのです。

  • 顧客訪問型のケース

顧客訪問型は移動時間が大きくなります。会計事務所側が移動時間を負担するため、その分顧問料金を高く設定する必要があります。
対面でのサービス提供が行えるため、品質や信頼性は高くなると考えられますが、料金が高くなるため、顧客の金銭的負担が大きくなります。

  • 事務所訪問型のケース

移動時間の負担は顧客側に生じます。その分、顧問料を安くできます。
しかし、自宅開業では選択しにくいサービスです。顧問料は安くできる反面、顧客側が移動時間を負担する必要がある点が特徴です。

  • Web通信型

会計事務所、顧客双方において移動時間を負担する必要がないため、顧問料金を安く設定できます。また、顧問エリアの制約が低くなる点が特徴です。品質や信頼性の担保をどのように行うかが問題になるといえます。

2.固定費による影響
自宅開業の場合、事務所を借りるコストが低くなるため、顧問料金を安く設定できます。逆に、事務所を借りた場合、固定費が大きくなるため、顧問料金をその分高く設定する必要があります。

自宅開業の住所開示

新規開業した場合、ホームページを作成するケースが多いと思われます。

自宅開業を選択した場合、自宅の住所をホームページ上に開示する必要性が高くなると感じます。

住所の開示をしない方法もありますが、住所を開示していないホームページの信頼性は低くなると私は考えます。

信頼性が低くなるということは、ホームページを使った集客に影響が出るということです。

ホームページでの集客を考えた場合、自宅住所を公開するという覚悟は必要だと思います。

まとめ

自宅開業の場合、手軽かつ低コストで始められるというメリットもありますが、サービス提供という観点からは、制約が多くなるというのが結論になります。

自宅開業している人は一定数いることも確かですので、そのあたりはご自身のやりたい事との兼ね合いで決定するのがいいのではないでしょうか。

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