公認会計士試験とは
公認会計士になるための国家試験で、一次試験である短答式試験と二次試験である論文式試験があります。
短答式試験(マークシート式)は年2回、論文式試験は年1回実施されます。
なお、論文式試験は、短答式試験に合格した人か、短答式試験の全ての科目について免除を受けている人のみ受験することができます。
試験の特徴
勉強するべき量が非常に多いため、初学者が合格するまでには、2年~4年ほどの勉強期間が必要です。
長期に渡り勉強が必要なため、家族や職場などの協力・理解を得る事が重要です。
また、合格者のほとんどは、公認会計士試験対策を実施している予備校の講座を受講しています。
難関試験・資格に対する勉強経験があり、かつ、公認会計士試験対策を助言してくれる人が回りにいるなど、特殊な環境にある人以外については独学を進めません。
予備校の講座を受講することが合格への近道です。
公認会計士試験に合格している私でも、もし再度受験するなら、絶対に予備校の講座を受講します。それだけ独学は難しいということです。
試験は相対評価で合格者が決まります。相対評価とは、一定の点数を獲得した人の全員が合格するというもの(絶対評価)ではなく、受験者全体の上位〇%が合格というものです。
つまり、70点をとれば全員合格というものではなく、受験生全体の中で上位に入らならなければ合格できないということです。
短答式試験の合格率は7%~15%、論文式試験の合格率は35%ほどになっています。
試験の難易度は人によって感じ方は異なるかと思いますが、私の場合は非常に難しく感じました。
私は日商簿記3級、2級、1級も保有していますが、日商簿記1級でも比較にならない位難しいと思っています。
慶應大学や早稲田大学出身の知人から話を聞いたところ、公認会計士試験は大学入試よりきつかったという話でした。
他の難関国家資格とは異なり、受験資格は必要ありません。
したがって、高卒の私でも受験して合格することが可能でした。
試験概要
公認会計士試験は、公認会計士・監査審査会(CPAAOB)のホームページにて最新の情報を入手することができます。
公認会計士試験を受験しようとする方は必ず最新の情報をチェックするようにしてください。
受験資格
・なし
受験料
・19,500円
試験実施地
・東京都、大阪府、北海道、宮城県、愛知県、石川県、広島県、香川県、熊本県、福岡県、沖縄県の11都道府県が試験地です。
・試験地は、受験者の住んでいる場所に関係なく、選択することができます。
短答式試験
試験日程
・毎年12月と5月の年2回、各1日で実施
試験科目等
試験科目 | 試験時間 | 問題数 | 配点 |
企業法 | 9:30 -10:30
60分 |
20問以内 | 100点 |
管理会計論 | 11:30-12:30
60分 |
20問以内 | 100点 |
監査論 | 14:00-15:00
60分 |
20問以内 | 100点 |
財務会計論 | 16:00-18:00
120分 |
40問以内 | 200点 |
合格基準
・総得点の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率。
・ただし、1科目で40%を満たさない等の要件に該当する場合は不合格となる場合があります。
合格有効期間
・合格者は、以後2年間は短答式試験が免除され論文式試験を受験できます。
短答式試験の免除要件
・司法試験合格者、税理士試験科目合格者、会計専門職大学院修了者など、一定の要件を満たす人は短答式試験の全科目または一部科目の免除があります。
論文式試験
試験日程
・毎年8月の1回、3日間で実施
試験科目等
日程 | 試験科目 | 試験時間 | 問題数 | 配点 |
1日目 | 監査論 | 10:30-12:30
120分 |
大問2問 | 100点 |
租税法 | 14:30-16:30
120分 |
大問2問 | 100点 | |
2日目 | 会計学午前
(管理会計論) |
10:30-12:30
120分 |
大問2問 | 100点 |
会計学午後
(財務会計論) |
14:30-17:30
180分 |
大問3問 | 200点 | |
3日目 | 企業法 | 10:30-12:30
120分 |
大問2問 | 100点 |
選択科目※ | 14:30-16:30
120分 |
大問2問 | 100点 |
※選択科目:経営学、経済学、民法、統計学のいずれか1つ
論文式試験の監査論、租税法、会計学午後、企業法および民法の科目では、試験用法令基準等が配布され試験が行われます。
合格基準
・52%の得点比率を基準として公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率。ただし、1科目で40%を満たさない場合は不合格となることがあります。
科目合格
・不合格者のなかで、一部の科目につき、論文式試験合格者の平均得点比率を基準として、相当と認められた得点を得た人は、一部科目免除資格取得者となります。
・合格科目については、以後2年間、論文式試験が免除されます。
公認会計士試験に係る年間スケジュール
8月 | 第一回短答式試験 | 受験願書配布(短答①)
受験案内公表(短答①) |
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9月 | 出願受付(短答①)
受験料納付(短答①) |
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10月 | ||||
11月 | 試験会場公表(短答①) | |||
12月 | 試験実施(短答①) | |||
1月 | 第二回短答式試験 | 合格発表(短答①)
受験願書配布(短答②) 受験案内公表(短答②) |
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2月 | 出願受付(短答②)
受験料納付(短答②) |
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3月 | ||||
4月 | 試験会場公表(短答②) | |||
5月 | 試験実施(短答②) | |||
6月 | 合格発表(短答②) | |||
7月 | 論文式試験 | 試験会場公表(論文) | ||
8月 | 試験実施(論文) | |||
9月 | 合格発表(論文) | |||
10月 | ||||
11月 |
公認会計士試験合格後の進路
公認会計士になるには、公認会計士試験に合格するだけではなく、実務経験(3年)・実務補習(3年)・修了考査に合格することが必要になります。
これらの要件を満たしたうえで、日本公認会計士協会の名簿へ登録を受ければ「公認会計士」と名乗れるようになります。
公認会計士試験に合格すると、一般的には監査法人というところへ就職します。
監査法人というのは、公認会計士の業務である会計監査などを専門に扱う会社で、公認会計士や公認会計士試験合格者が多く働いているところです。
監査法人へ就職すれば、基本的に実務要件を満たすことが可能です。
また、日中の仕事が終わったあとや、休日に実務補習所で座学を勉強し、一定の単位を取得することで、修了考査の受験資格を得ることができます。
監査法人の初年度年収は500万円程度を見込むことができます。