公認会計士のメリット・デメリットを知りたいと思っている方のために、高卒公認会計士が本音で語ります。
公認会計士に興味がある方は是非チェックしてくださいね。
公認会計士のメリット
年収が高い
公認会計士は年収が高いのがメリットです。
公認会計士になると、ほとんどの人が監査法人という公認会計士が集まって働いている会社で働きます。
監査法人に入ると、新人で年収500万円ほど貰うことができます。
4年目~5年目で年収800万円程度になります。
監査法人でキャリアアップしていけば、最終的に年収2,000万円以上貰うことも可能です。
公認会計士の年収について詳しく知るには、下記の記事をどうぞ。
fa-arrow-circle-right公開します!!公認会計士(大手監査法人)のリアルな年収と残業時間
バイトでも高時給
公認会計士になって独立をした場合、監査のバイトをすることがあります。
監査のバイトの時給は、7,000円~8,000円程度になります。
日給で5万円以上、10日働くだけで50万円以上貰うことも可能です。
独立時のリスクが低い
将来独立した際、顧客を獲得するまでの期間に上記の監査のバイトで食つなぐという選択もできます。
収入がゼロの状態が数か月続くと精神的にきついでしょうから、監査のバイトで最低の収入は確保して、新規顧客獲得を目指すということが可能です。
また、やっぱり独立は向かないと感じた際も、監査法人や他の企業へ再就職するという選択肢が残されています。
長期休みが取得可能
公認会計士として監査法人で働くと、夏と年末年始には長期休みをとる事ができます。
僕も監査法人で働いていましたが、年末年始に20日以上の休みをとったりしていました。
休日が長いので、旅行などに行ったりもできます。
仕事の割当がない日は、休むか自宅にいることができる
監査法人に勤める公認会計士の場合、仕事は割当(アサイン)にもとづいて行われます。
例えば、とある一週間のアサイン状況が以下の通りだったとします。
月曜日:A社 本社往査 内部統制検証
火曜日:A社 本社往査 内部統制検証
水曜日:B社 本社往査 実証手続
木曜日:C社 子会社往査 内部統制検証
金曜日:アサインなし
月曜~木曜まではクライアント先に行って仕事をしますが、金曜はアサインがありません。
アサインのない日は、基本的に自由です。
事務所に行ってもいいし、自宅にいてもいいです。
僕の場合、アサインがない日は有給を使って休んでいました。
また、僕は在宅勤務の許可をもらっていたので、有給を使わない日は、自宅でe-ラーニングを受けて所定の単位を満たしたりしていました。
(研修に飽きたら、午後は有給にするとかもありです。)
定時勤務時間が短い
僕のいた監査法人は、定時の勤務時間は7時間でした。
また、始業時間が9時半~というところもあり、一般の会社と比べて朝の出勤が遅くても大丈夫でした。
終業時刻は17時半です。
専門知識が身に付く
公認会計士は会計と監査のプロフェッショナルです。
会計やその周辺の法律知識、内部統制と呼ばれる会社を運営するための仕組みや、税金や監査にかかわる専門知識が身に付きます。
これらの知識は、広く社会から求められているもので、応用範囲の広い専門知識です。
公認会計士の年収が高いのも、専門的な知識をもったプロフェッショナルだからと言えます。
様々な会社の秘密を知る事ができる
公認会計士は、様々な会社に行って会計監査をするため、様々な会社の内情を知る事ができます。
会社の懐具合を把握できるのはもちろんのこと、外部には公表されていない重要な意思決定情報についても知ることができます。
また、重要な書類(契約書や取締役会議事録、稟議書など)も見ることができますし、金庫や、倉庫、サーバールームなど、通常立ち入りできないようなエリアにも入ることもあります。
内部統制の検証を行う際には、実際の会社の業務手順を追って確認することもあります。(ウォークスルー)
普通の会社員では、自分の勤めている会社以外のことはなかなか知れないものです。
公認会計士の場合、複数の会社の様々な極秘情報を知る事ができるため、会計と監査という専門的な知識のみならず、会社運営にかかわるノウハウなどについての知識も得ることができます。
経営者と話ができる
公認会計士は会計監査を行うわけですから、社長をはじめとする役員や、各事業部長など、重要な役職者と話す機会も多くなります。
例えば、経営理念や経営方針、業績や経営指標、経営計画、業界環境、事業上のリスクなどについてディスカッションをしたりします。
税理士や行政書士にもなれる
公認会計士になると別途国家試験を受けることなく、税理士や行政書士になることが可能です。
僕も公認会計士の他に税理士の資格をもっています。
将来のキャリアが幅広い
公認会計士は、転職しやすい職業であり、監査法人の他に、税理士法人、会計事務所、金融機関、官公庁、一般会社などで働くことも可能です。
海外で活躍する人もいますし、独立開業している人もいます。
働き口が多数あるため、キャリアの選択肢が広く、働き方を自由に選べます。
学歴は関係ない
仕事において学歴で区別されることはありません。
高卒の僕も学歴で区別されたりされたことはありません。
あと、高卒であることに負い目を感じなくなりました。
社会的信用力が高い
公認会計士は「先生」と呼ばれるような職業で、公認会計士というだけでしっかりした人だと世間から見られます。
例えば、ローンや、クレジットカード、賃貸住宅などの各種審査、結婚を前提としている相手方のご両親へご挨拶に行った時、税理士に登録する際の面談などなど、公認会計士というだけで信頼してもらえることが多いです。
あと、公認会計士になるとわかるのですが、クレジットカードに関しては、公認会計士用のゴールドカードやプラチナカードの勧誘が来ます。
有事の際の在宅勤務がしやすい
有事が発生したようなケースでは、在宅勤務・テレワークがしやすいというメリットがあります。
ITツールが発達したことにより、遠隔地でも監査や税務のためのソフトウエアを使用できますし、インターネットを使ったテレビ会議システムなどを使用することにより、在宅勤務・テレワークの実施が可能となっています。
公認会計士のデメリット
一生勉強が必要
公認会計士は、資格をとったらそれで終わりではありません。
毎年決められた単位の勉強をしないと、資格を維持することができません。
また、決められた単位以外にも、自分がかかわる仕事の分野の勉強や、毎年行われる法令や基準の改正にも対応した勉強もしていく必要があります。
プロフェッショナルなのですから、日々勉強するのは当然ですけどね・・・
株式や投資信託の保有に厳しい制限がある
公認会計士の知識を使って、将来は株式投資で資産を増やすんだ!と意気込んでいる方もいるかもしれませんが、公認会計士は株式など金融商品を保有する場合の制限が厳しいです。
監査法人などは独自のルールで証券口座の開設すら制限される場合もあることから、株式投資については制限がかなり厳しいです。
株式等の保有は全面的に禁止されているわけではありませんが、ルールに従うとかなり制限されることになります。
資格の知名度が低い
公認会計士は、医者や弁護士、税理士などの有名な士業に比べると知名度が低いです。
公認会計士の存在すら知らない人も多くいます。
公認会計士というと、税理士と勘違いされるような事もあったりします。
仕事の締め切りがきつい
会計監査は決められた期間までに終わらせないといけません。
ですので、会社の年度決算が締まってから監査報告書が出るまでは、死にもの狂いで監査をします。
会社の決算が重なる3月末以降、4月~5月は繁忙期となり長時間働く必要があります。
僕も毎年徹夜で仕事をする日があります。
ゴールデンウィークに休めない
3月決算のクライアントを多く抱えていると、5月が繁忙期になるため、ゴールデンウィークも仕事をしています。
公認会計士でゴールデンウィークがない人は多いと思います。
内向きな仕事が多い
クライアントに付加価値を提供するという視点での仕事より、金融庁や公認会計士協会など外部の検査で指摘を食らわないためにどうするかといった視点での仕事が多いです。
個人的には、会計監査の過程で気づいた事として、会社の経営に有用なアドバイスをする割合はもっと増えてもいいと思っています。
僕の場合、会社にとって有用なアドバイスをすることが会計監査の付加価値になると思っていますので、有用だと思ったことは役員・担当者問わず、積極的に提案しています。
そうしないと本当につまらない仕事になってしまいます。
地味で細かい仕事が多い
例えば、何万件もあるデータから特定の項目だけ抽出したり、勘定科目ごとの金額や比率を数期間並べてみたりというような地味な作業をひたすら繰り返します。
また、何百件もの書類をひたすら見るというようなこともします。
そのため、パソコンや書類と向き合っている時間が長いです。
監査の調書は、エクセルやワードで作成することが多いですが、小規模な事務所ですと紙の調書が主流ということもあります。
また、成果物である監査調書は、本当に限られた極一部の人しか見ることができず、公表されることがありません。
外部に公表されるのは、監査報告書のみです。
したがって、世間からはあまり注目されにくい仕事とも言えます。
資格を取得するまでが大変
公認会計士は、資格を取得するまでが大変です。
公認会計士になるには、3つのハードルをクリアしなければなりません。
1.難関の公認会計士試験に合格する必要がある
公認会計士になるための最初のハードルが、公認会計士試験です。
公認会計士試験は、マークシート方式(短答式)の一次試験と、論文方式の二次試験からなります。
公認会計士になるには両方の試験に合格しなければならず、一次試験に合格することで二次試験の受験資格が与えられます。
一次試験の合格率は10%程度、二次試験の合格率は30%程度となっています。
公認会計士試験合格までの期間は、おおむね2年~4年であり、3年ほどで合格する人が多いです。
2.実務経験が2年必要
公認会計士になるためには、会計監査等の実務を2年間行う必要があります。
実務要件については、試験の合格前後は問われません。
一般的には、公認会計士試験合格後に実務経験を満たすことになります。
3.修了考査(実質的な三次試験)に合格する必要がある
公認会計士試験に合格すると、実務補習所というところに通って勉強をする必要があります。
実務補習所には通常3年間通う必要があり、3年間で必要な単位を取得することで「修了考査」とよばれる実質的な三次試験の受験資格を得ることができます。
そして、修了考査に合格することが公認会計士の登録要件になります。
修了考査の合格率は70%ほどです。
公認会計士試験合格者の中から上位7割に入らないと公認会計士になることができないのです。
以上を勘案すると、公認会計士になるまでには5年~7年程度の期間が必要といえます。